今回はフリーイラストレーター1、2年目の方に向けての記事です。

 

筆者は20代で主にイラストレーター業、30代からはデザイン業にシフトしていきましたので、ふたつの仕事のマインドが良くわかってるつもりです。時代は変われど仕事の本質は変わりません。イラスト仕事では広告、雑誌のカット、表紙、装丁イラストと幅広くやらせていただきました。そして30代からのデザイン業ではイラストを売り込まれる側、コメントを出させてもらう側になっていったのです。

ススムススム

筆者はイラスト、デザイン両方で仕事していたんだね..


のぞみのぞみ

両方やる人はいるけど、立場は微妙に違うわね。デザイナーは発注する側になることも多いし

イラストレーターのタッチに必要な「個性」とは

イラストを仕事にするには個性がとにかく大事だと言われます。ある面当たっていますが、これは見る側、評価する側の言葉(としての比重が大きい)です。自分もフリーイラストレーターの頃はよく言われたのですが、この言葉ばかり頭がいっぱいになると方向を間違えてしまいます。

ススムススム

えっ、個性があればいいんじゃないの?


じゃあ、個性があればいいのか。個性をとにかくつけよう!という発想になるのです。自分のタッチや世界観に迷ってる段階ではなおさらそうなります。個性作りは、念頭に置きつつしかし自然と出てくるものと捉えるとちょうど良いです。

 

依頼する立場としては、イラストの個性が強すぎると使用媒体が限られてくると感じます。現にコンペではたくさん大賞をとっても実際の仕事では限られた分野でしか活躍できなかったケースも見ています。コンペと実際の現場では評価基準がまったく違うのです。イラストレーターのなかには好きな絵が描ければそれでいいという人もいますが、筆者の個人的考えはフリーイラストレーターなら実際の仕事をたくさんして食えてる人が成功の姿だと思っています。

のぞみのぞみ

イラストレーターから絵に個性がありすぎて使いづらいって言われる。と聞いたことはあるわ。



イラストレーションの世界を何十年と見ていますと、流行があり、誰かのタッチが世の中に受け入れられると、それに似たタッチ、雰囲気の作家がたくさん出てきます。影響を受けるのは時代に敏感ということですし表現者としては大事な感覚ですね。
ススムススム

こういうのはどの世界でもある現象…


上のことは絵師と言われる方の世界とはまた少し違うのですが、やはり最初にそのタッチをはじめた人が残り続けると感じます。しかし、日本のようにイラストレーターが大勢いる国は他にあるのだろうかとも思います。それだけ活躍できる場、媒体があるのですね。

フリーイラストレーターの2つのタイプとは?

上で個性が大事だと書きました。フリーイラストレーターとして仕事にしていくには

 

●いろんなタッチが描けるタイプ
●その作家だけのオリジナルタッチがあるタイプ

 

に分かれます。

ススムススム

なんでもこなせる人はお願いしやすいけど…


のぞみのぞみ

その人のイラストじゃなきゃ!って仕事も多いわよね


イラストレーションで売り込みをしていると後者になるとよいと言われます。自分も当時は相当言われました。なぜならば前者は器用貧乏で終わる可能性があるからです。これはイラストで仕事をしていく人たちには大きなテーマとなってるはずです。セルフブランディングに似ていますが、自分のタッチを確立していくと希少性が増しオンリーワンの価値観が生まれていきます。結果的に規模の大きなギャラの高い仕事にも巡りあえるのです。

セルフブランディングについては⇀コチラ

イラスト・デザイン学校での勉強と実際の仕事との違い

イラストセミナーではいろんな教えがあると思いますが、それと実際の仕事の現場で求められるものとはたして同じ価値観なのだろうかと感じることもありました。筆者が仕事していくうえでは独自のアイデアと個性的な絵が必要というより「絵としてこういうシチュエーションが欲しい」単純にそういうケースが多かったのです。

ススムススム

これは想像できるよ…だってボクも学校の授業と現場は違かったもん


それはデザインも似たところがあります。美大などの学校ではコンセプトの大切さや作品作りの経過も重要視します。そして自分の言葉で作品について述べることが求められます。それが生かされる現場ももちろんありますが、仕事では純粋なデザイン力やバリエーションの多さを求められることも多いのです。

 

だからといって、学びが無駄になるということではなく、その段階を経て実際の現場(仕事)をこなせる「基礎力」として捉えるとよいのです。

のぞみのぞみ

そうよね。やっぱり基礎を経て、そして仕事だし。どこかで生かされてるはず

フリーイラストレーターとして生き続けるために大切なこと

イラスト仕事で、

「どうぞ、好き勝手に絵を描いてください。」

企画のしっかりした仕事ではこんな案件はありません。なんかしらテーマがあり規制があり、それに合ったイラストを要求されます。要求度の上をいくクオリティを提出したら先方は嬉しがりますし、締め切りも含め期待を裏切らなければ「仕事ができる」と評価され、次の仕事につながります。

 

仕事では、人物や動物、モノを描くことが圧倒的に多いです。
それらを描いてもその人のタッチだ。と分かるような個性のある絵。

ススムススム

ああ、なるほどね。活躍してる人は個性がありながら誰の絵か分かるもんね

これが理想的なのです。そして見ていて不快な感情がでてこないもの。
(必ずしも明るい雰囲気である必要はないと思っています)
も大切です。たくさんの人の目に触れるのですから不快な印象はマイナスです。

自分の周りでイラストで食えてる人はこれが出来ている人。そして、一時期そのタッチで売れっ子になったケースは、需要が減ってくると、時代を鑑みながらうまくタッチを変えてきてる人です。抽象的な絵ですと活動する媒体が限られてきます。広告でも雑誌のカットでも人物など普段の生活で欠かせない要素が描けると、ほとんどの媒体で活躍できます。

ススムススム

タッチが変わってきても売れて続けてる人はたしかにいるよね


のぞみのぞみ

あとは中心の個性的タッチを押しつつ、他の絵でもサブ的に仕事。バランスをうまく調整してる人もいるわね

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